スバルff-1(スバル エフエフワン)は富士重工業(現・SUBARU)が生産していた乗用車。
概要
スバル・1000(1966年発売)のマイナーチェンジ版として1969年3月発売。マイカー時代の到来に伴い、トヨタ・カローラ1100(1966年11月発売)、日産・サニー1000(1966年4月発売)などが位置する、いわゆる小型車市場で、富士重工初の小型車であるスバル・1000は1969年3月には月販4,000台を上回り、一定のシェアを確保することに成功した。しかし、市場からのさらなる豪華さ、モアパワーの要求に応え、商品性の向上を図ったもの。翌1970年7月には、さらなるマイナーチェンジを受け、スバル・ff-1 1300Gシリーズに移行したことを考えれば、結果的に多少中途半端なモデルであったことは否定できず、1年余りの短命なモデルに終わった。一方、アメリカ向け輸出車両としては、富士重工業としては初となる本格的な小型車で、1970年から1971年にかけて1万台余りが海を渡っている。
初代 A14/15型 (1969年-1970年)
- 1969年3月1日 - スバル・ff-1シリーズ発売。
- 6月 - ff-1スポーツセダン「箱根ターンパイク・ヒルクライム大会」クラス優勝・総合2位(小関典幸)
- 10月6日 - 既存のff1スポーツセダンの実質的な4ドアセダン版にあたるff-1スーパーツーリングを追加・発売。
- 1970年2月 - ff-1スポーツセダン「70RCCウィンターラリー」クラス優勝・総合2位(江原/中原)
- 7月10日 - ff-1 1300Gシリーズ発売。
主要諸元
エンジン
搭載される標準の「EA61」、そのツインキャブ版で、スポーツセダン、スーパーツーリングに搭載される「EA61S」エンジンともに、スバル・1000の「EA52」(ボア×ストローク:72.0×60.0mm)、およびスバル・1000スポーツセダンの「EA53」のボアを4mm拡大したのみで、大きな変更は行われていない。
シャシー・サスペンション
スバル・1000と同じ。スポーツセダンとスーパーツーリングに、2系統ブレーキシステムを採用。
エクステリア
スバル・1000と基本的に共通だが、フロントグリルが台形をモチーフにしたプラスティック一体成型のものに変更され、イメージチェンジを図っている。
このスバル・ff-1で採用された「台形グリル」は、1993年発売のBD/BG型レガシィからスバルのイメージ・モチーフとして復活し、細かい変形を加えられながら現在も用いられている。
標準車は全車にボンネット先端に「ff-1」エンブレムが追加。またデラックス以上にリヤガーニッシュ、トランクフード・オーナメントが装着される。
スバル・ff-1から、Cピラーにベンチレーターが新設され、右がルームベンチレーションとして、左が燃料パイプブリーザーとして機能する。
デラックス以上に装着されるバンパー・オーバーライダーを樹脂製に変更。
スポーツセダンは樹脂製砲弾ミラー、ボンネット先端に「SUBARU」オーナメント、専用ホイールキャップを採用。
インテリア
基本的にはスバル・1000と共通だが、ダッシュボード中央下に、ベンチレーション・コントロール、ラジオ、シガーライター、灰皿を一体にしたナセルを新設。標準車のステアリング・ホイールもクラッシュパッド一体型の樹脂製に変更した。
スポーツセダン、スーパーツーリングには木目調樹脂製・ステアリング・ホイール、木目調シフトノブ、ビニールレザー貼のセンターコンソールが標準装備となる。オプションでクーラーが設定されていた。
脚注
注釈
出典
関連項目
- 富士重工業
- スバル・1000
- スバル・ff-1 1300G
- スバル・レオーネ
- スバル・EA型エンジン
外部リンク
- GAZOO.com スバル・ff-1 - ウェイバックマシン(2003年1月26日アーカイブ分)




