『オーバーテイク!』は、KADOKAWAとTROYCAによる日本のテレビアニメ作品。2023年1月20日に制作が発表され、同年10月から12月までAT-Xほかにて全12話が放送された。
概要
自動車レースにおける若手の登竜門であるフォーミュラ4(F4)のFIA-F4選手権(FIA-F4)を舞台とした作品で、「実際のモータースポーツに寄り添いながらも人間ドラマを描く」ことをテーマとしている。
高校生F4ドライバーの浅雛悠と、スランプに陥っているフォトグラファーの眞賀孝哉の二人を主人公としており、「小牧モータース」というF4チームを中心にそれぞれの形でF4に向き合う二人の物語を軸に、ライバルチームである「ベルソリーゾ」のドライバー、春永早月と徳丸俊軌の話を絡めた青春群像劇として描かれる(→#あらすじ)。物語上の主要な登場人物の数は10人ほどに絞られている(→#主な登場人物、#演出方針・キャラクター)。
一般的にレースを扱ったアニメ作品は主人公がトップ(チャンピオン)になるまでの過程を描くスポ根物であることが多いが、この作品は人間ドラマのほうに軸足を置いていると受け止められている。レース物としては、F4の車両とレース、サーキットの再現について、レース関係者からも高く評価されている。(→#F4の再現、#反響・評価)
アニメ制作会社TROYCAの10周年記念作品として発表され、先行上映会やトークショーといった事前プロモーションはF4を開催中のサーキットを中心に行われた(→#プロモーション)。主要なスタッフは、同社の第1作である『アルドノア・ゼロ』(2014年作品)と共通している(→#スタッフ)。監督のあおきえいにとっては、10本目の監督作品にあたる。
あらすじ
- 第1話 - 第4話
人間を撮れないというスランプを抱えるフォトグラファー、眞賀孝哉は、ある仕事でフォーミュラ4(F4)という自動車レースを知り、弱小チーム「小牧モータース」のドライバー、浅雛悠と出会う。「頑張ってね。応援してる」と声を掛ける孝哉に、「応援なんていらない」と言い放つ悠。冷めた態度とは裏腹に、レースで果敢な走りを見せる悠の姿に孝哉はそれまで忘れていた「がんばり方」を思い出して胸を高鳴らせる。リタイアに終わったレース後、悠はパドックの隅で人知れず涙を流して悔しがる。その姿を撮影したことで何かをつかんだ孝哉は、悠を応援するため小牧モータースへの協力を始め、スポンサー探しに奮闘する。そんな孝哉に悠も次第に感化されていき、なぜ「応援は要らない」と考えるようになったのかを孝哉に明かす。悠は表彰台に立つことが今の目標だと言い、孝哉はその姿を自分が撮影することを誓う。
- 第5話 - 第6話
FIA-F4選手権のトップチーム「ベルソリーゾ」は、ファーストドライバーの春永早月とセカンドドライバーの徳丸俊軌の役割を明確に分け、レースにおいてセカンドの徳丸にファーストの早月をサポートさせるという体制を敷いていた。天才を自称する陽気な早月と、鬱屈とした思いを抱えてレースをする徳丸という対照的な二人だったが、早月がなぜそう振舞っているのか教えられ、徳丸は自身の塞いだ思いを早月への前向きな競争心へと変えていく。その矢先、雨のレースの不運な事故で早月が重傷を負う。
- 第7話 - 第9話
ベルソリーゾでは、負傷した早月に代わって徳丸がチームのファーストドライバーに昇格し、初優勝を果たす。しかし、早月の不在によって得た勝利は徳丸にとって苦いものとなる。その頃、早月は復帰を焦って無理なリハビリをしようとしていたが、それを案じた蜜澤亜梨子の言葉で目を開かれ、自分が目指すべきなのは憧れていたジェームス・ハントではなく、ハントのライバルで、不運な事故から不屈の努力で復活したニキ・ラウダなのだと悟る。
一方、小牧モータースの悠にとっての気がかりは、時を同じくして姿を消した孝哉のことだった。孝哉はかつて震災のあった東北を訪れており、再会した悠に自分が負ったトラウマの話を語る。
- 第10話 - 第12話(最終話)
東北から戻った悠は小牧モータースで表彰台に立ちたいのだという自身の決意を太と錮太郎に告げ、チームは結束を固める。相変わらずの資金不足が足かせとなっていた折、御殿場の地元商店主たちからスポンサーとなる申し出を受けたことで、悠たちは満足のいく準備を整えた上で次の最終戦に備えることが叶う。悠も地元の人々からの応援に素直に感謝し、応援を嫌っていたかつての姿はなくなる。その一方、孝哉は自分はトラウマを克服して写真を撮れるのか、心の内に迷いと不安を残す。
ベルソリーゾでは、徳丸がレースをリードすることに慣れず調子が上がらない中、最終戦を前に早月がチームに復帰する。かねてより徳丸の様子を気にかけていた早月はファーストドライバーを決める模擬レースをすることを提案する。その中で、早月はコース上で後ろばかり気にする徳丸に自分の敵は自分自身なのだということを気づかせ、自身の至らなさを自覚した徳丸は殻を破って最終戦に臨む。
最終戦の決勝レース、トップを走る徳丸はアクシデントでダメージを負い、レースは早月と悠のマッチレースとなり、早月は完調とは言えない体で痛みに耐えつつ車を操り悠を抑える。見守る人々が双方にがんばれと念じる中、悠は早月をオーバーテイクし、トップでチェッカーを受ける。迷いが晴れた孝哉はその姿を撮影し、場内の人々は表彰台に立った悠たちの健闘を称えて拍手を送る。その後、表彰台で歓喜の涙を流す悠を写した写真は孝哉の部屋に飾られ、その様子を映したところで物語は幕を下ろす。
主な登場人物
主な登場人物は10人ほど(故人と実況を除くと9人)に絞られている。「キャラクター設定」 に記載した内容は基本的に裏設定で、アニメ本編中では特に語られない。
主人公
浅雛 悠 ()- 声 - 古屋亜南、市ノ瀬加那(幼少期)
- レーシングチーム「小牧モータース」に所属する高校生F4レーサー。
- F4には前年から乗り始め、それ以前はレーシングカートに乗っていた。父親の澄もレーサーで、いつか自分も表彰台に立つことを目標にF4を走っている。
- その父は11年ほど前にレース中の事故で亡くなっており、両親ともに他界している。レースで走るため、父のかつてのレース仲間である小牧太を頼り、10年ほど前から小牧家に下宿させてもらっている。
- 世話になっている小牧家のため、朝夕に新聞配達のアルバイトをしている。このアルバイトは、体力作りを兼ねて選んだものでもある。
- 父の死の原因は自分の応援が原因だったかもしれないという自責の念から、応援なんて本当は相手のためなんかじゃないと考えるようになった。
- キャラクター設定:
- 17歳で、高校3年生。誕生日は2月17日。血液型はA型(RH A)。身長は171 cm。
- カーナンバーは「80」を使用している。第8話で描かれるテストの時は39号車に乗っている。
- キャラクター造形:
- 悠と孝哉は対比になるよう設定されており、悠は若いながら落ち着いたキャラクター、孝哉は大人だが子供っぽさも残している猪突猛進型のキャラクターとなっている。そうすることで、両者のケミストリーによって物語を進めることを狙っている。悠のことを物語序盤で無口な少年として描いているのは意図的なもので、話が進むにつれて、孝哉との交流を通してキャラクターとしての表情が出るように造形されている。
- 演者の古屋は本作が初主演・初メインキャラということで第1話では力んで収録に臨んでいたが、監督のあおきは、その時点の悠の孤高なキャラクターと合っており、話数が進むにつれて古屋がアフレコに慣れていったことも悠への演出とのシンクロがあり、(そうなることを狙って新人をキャスティングしたわけではないとしつつ)ディレクションでは出せない良さが出たと述べている。
- 外見について、キャラクターデザインを手掛けた松本昌子は、悠はクールな雰囲気もありつつ心の中は熱いキャラクターなので、意志が強くまっすぐな感じになるようデザインしており、特に、信念を持った力強い目がポイントだと述べている。監督のあおきと制作プロデューサーの長野敏之から松本に対しては、志村貴子の原案にある「色気のある可愛さ」を活かしてほしいということと、『アルドノア・ゼロ』の伊奈帆とスレインの中間くらいの感じにするようオーダーがあったという。
- カーナンバー80:
- 悠のカーナンバー「80」は、取材時に当時のF4ドライバーの伊東黎明に特に協力を得ていたことから、伊東が使用していたカーナンバーにちなんで付けられた。実際のF4で、カーナンバー「80」はスカラシップドライバーに与えられているが、本作の制作陣がそのことを知ったのは番号を決めた後のことで、作品中の選手権ではスカラシップ制度は登場せず、悠はスカラシップドライバーとして設定されているわけではない。
眞賀 孝哉 ()- 声 - 小西克幸
- フリーランスのフォトグラファー。
- 悠の走りを見て、久しく忘れていた胸を熱くする何かを思い起こして、小牧モータースの力になろうと奮闘を始める。
- かつてはフォトジャーナリストで、「雪平孝哉」の名で活動していた。12年前に仕事で東北に行った際に発生した震災で被災した。その後の個展で、震災に際して撮影した、津波に巻き込まれる直前の少女の写真を展示したことで、メディアやネット上で激しいバッシングを受けた。その時のトラウマから、人物写真を撮ることができなくなってしまった。
- 現在はフォトグラファーを名乗っており、「カメラマン」と呼ばれると「写真なのでフォトグラファー」と訂正する癖がある。人物を撮れなくなっていることは元妻の冴子にも黙っているが、人物撮影を断り続けているため、勘づかれている。
- キャラクター設定:
- 36歳。誕生日は8月18日。血液型はO型。身長は179 cm。
- 写真は大学時代に冴子の影響で撮り始めた。
- キャラクター造形:
- 他の登場人物たちと異なり自動車レースに詳しくないキャラクターであり、そうすることで、レースカテゴリーとしてもマイナーなF4について視聴者に紹介する案内役としての役割を持っている。
- 悠とは対照的に、最初は明るい人物として描かれ、話が進むにつれて内に抱えた仄暗い部分が見えてくるように造形されている。
- 屈託なく明るい部分と仄暗い部分を持つキャラクターだが、演者の小西はそれを絶妙に演じており、監督のあおきは、第2話のアフレコ時の小西の演技により、あおきの中でもキャラクターの解像度が上がったと述べている。
- トラウマを持つキャラクターだということは構想の初期からあおきが考えていたが、その原因が震災にあるというアイデアはスーパーバイザーの高山カツヒコが出した。(「#震災の扱いについて」も参照)
小牧モータース
小牧 錮太郎 ()- 声 - 畠中祐
- 小牧モータースのメカニック。同居している悠とは兄弟同然に育ち、「はる」、「こた」と呼び合う仲。
- F4チームでは、太とともにF4車両の整備を担っている。
- 面倒見が良く、悠と亜梨子の相談に何かと乗ってサポートする。亜梨子に片思いをしているのだが、そのことを言い出せずにおり、早月絡みの相談にも乗ってしまっている。
- 「知能で勝負するタイプ」だと自称しており、そのことは特に否定されていないが、反面、体力はない。
- キャラクター設定:
- 17歳で、高校3年生。誕生日は8月26日。血液型はA型。身長は175 cm。
- キャラクター造形:
- 元々は性別は女で「小牧まこ」として考案され、脚本を作っていた段階では第6話までは女性キャラクターとして話が書き進められていた。亜梨子とは「幼馴染」というところは同じで、親友という設定だった。しかし、あおきの考えにより、男性キャラクターに変更され、6話までの脚本も筋立てはそのままに性別の違いがかかわる箇所のみ書き直された。
小牧 太 ()- 声 - 佐々健太
- 小牧モータースのチームオーナーで、同じ名前の自動車整備工場を営んでいる。錮太郎の父。妻(錮太郎の母)は既に他界している。
- 昔はレーシングチームでピットクルーをしており、悠の父でドライバーの澄とコンビを組んでいたが、家業の小牧モータースを継ぐために辞めた。澄が事故死した後、10年ほど前から悠のことを下宿させている。
- 悠のことは我が子同然に育てており、悠は新聞配達で得た収入を小牧家に入れているが、太はそんなことをする必要はないと悠に言っている。
- 小太りの中年だが、昔は足が速かったと本人は言っている。
- キャラクター造形:
- 外見について、キャラクターデザインを手掛けた松本昌子は、最初に描いたものは体型が細かったが、監督のあおきの助言により、丸々とぽっちゃりとしたシルエットに描き直し、気の良い親しみやすいおじさんという感じにしたと述べている。
- 「太」という名前は制作プロデューサーの長野敏之の希望で決まった。騎手の小牧太と同姓同名なのは偶然。
ベルソリーゾ
春永 早月 ()- 声 - 河西健吾
- レーシングチーム「ベルソリーゾ」のファーストドライバー。悠と同じく高校生F4レーサー。
- 陽気な性格で、言動は軽薄な印象を与えるが、ドライバーとしての実力は本物。多くの女性ファンがおり、ファンたちを「子猫ちゃん」と呼ぶ。
- F1ドライバーになることを目標にしており、憧れのドライバーはジェームス・ハント。レースの勝敗を左右する要素のひとつに運があり、ハントは持ち前の明るさから幸運の女神に愛されていたと考えており、運を引き寄せるため、ハントに倣って明るく前向きに振舞うことを心掛けている。
- チームメイトにも気さくに接し、徳丸のことを「トシくん」と呼んでいるほか(年下の早月からそう呼ばれることを徳丸本人はあまり快く思っていない)、技量の劣る結谷、加賀山にもアドバイスを行っている。
- キャラクター設定:
- 17歳で、高校3年生。誕生日は5月16日。血液型はAB型(RH AB)。身長は176 cm。
- カーナンバーは「35」を使用している。
- キャラクター造形:
- 決めゼリフとなっている「子猫ちゃん」というフレーズは、第1話の脚本の時点では書かれておらず、同話で絵コンテを担当していたあおきえいが書き足した。
- 単純に明るいキャラというわけではなく、それは自分で性格を矯正した結果だということが第5話でわかるようになっている。
- 外見について、キャラクターデザインを手掛けた松本昌子は、原案が「タレ目のイケメンキャラ」というものだったので、目の位置とタレ具合のバランスがカッコよく見えるよう心掛けたと述べている。
- 第4話で着ている高校の制服のデザインは『アルドノア・ゼロ』の主人公の一人である伊奈帆らが通っていた新芦原高校と同じで、第7話で入院している病院も新芦原総合病院となっており、同作ファン向けのファンサービスとなっている。
徳丸 俊軌 ()- 声 - 八代拓
- ベルソリーゾのセカンドドライバー。19歳で、早月より年上。
- 早月に劣らない速さを持っているが、感情的になりやすい面がある。前年にベルソリーゾのドライバーオーディションを受けていた際に周回遅れの悠とクラッシュし、そのことがセカンドドライバーとして採用される原因になったと思われている。また、その事故以来、悠には何かと因縁をつけて絡むようになった。
- ベルソリーゾに所属する前は引っ越しのアルバイトをして資金を貯めてレースをしていた。そのままではいずれドライバーの道を諦めることになっていたため、チームに拾ってくれた笑生には感謝をしている。そうした経緯でセカンドドライバーの務めを果たしているが、そのポジションに納得はしていない。
- キャラクター設定:
- 19歳。誕生日は12月4日。血液型はB型(RH B)。身長は174 cm。
- カーナンバーは「36」を使用している。第3話で描かれる前年のドライバーオーディションの時は39号車に乗っている。
- 歳の離れた姉がいる。
- キャラクター造形:
- ライバルチームについて、天才系のファーストドライバーと鬱屈した感じのセカンドドライバーを設定して対照して見せるという案は企画の初期からあり、作品中でも徳丸は早月との対比を軸として描かれている。
- シリーズ構成前の時点で、後半で見え方が変わるということは予定していた。
- 悠に対して使う「シケイン野郎」という蔑称は高山カツヒコが考えた。
蜜澤 亜梨子 ()- 声 - 上田麗奈
- ベルソリーゾのレースクイーン。
- レースクイーンはアルバイトとしてしているが、仕事への意識は高い。早月の大ファンだが、本人の前では挙動不審になり、言い出せずにいる。
- 錮太郎とは幼なじみで、ふだんは錮太郎、悠と同じ高校に通っており、小牧モータースのことも応援している。
- キャラクター設定:
- 17歳で、高校3年生。誕生日は9月13日。血液型はO型。身長は162 cm。
- キャラクター造形:
- 性格や話し方(方言のような口調を混ぜることがある)といったキャラクターについて、あおきは女優の髙橋ひかるに影響を受けたと述べている。第5話の「やだローテンション~」というセリフのような独特な抑揚の付け方はディレクションではなく、演者の上田による。
- 外見について、キャラクターデザインを手掛けた松本昌子は、男性キャラと対照的な女の子っぽさが出るよう、重ための前髪、アイライン・まつ毛といった色々なところで「丸み」を意識して描いたと述べている。
笑生 教典 ()- 声 - 加藤将之
- ベルソリーゾのチームオーナー。本業は会社経営者。孝哉には以前に仕事を依頼したことがある知り合いで、F4についても何かと親切に教える。
- F4チームは若手ドライバーを育成するために立ち上げたもので、現在は、早月のことをF3、F2へとステップアップさせることを見据えて育成している。
- 若い頃はレーシングチームの監督をしており、小牧太や浅雛澄とは同じチームで、澄が事故死した時のチームの監督でもあった。太や澄とレースをしていた頃は髪を金色に染めていた。その姿を写した写真は小牧モータースにも飾ってあるのだが、悠は笑生がその人物だとは本人から過去の話を聞くまで気づかなかった。
- キャラクター造形:
- 小牧太や悠の父親の澄とかつて同じチームだったという設定は少し後に作られたもので、第5話の脚本を作る段階で話の最後に太と笑生を試しに絡ませたところ雰囲気が良かったことから設定に組み込まれた。第2話で登場する写真と矛盾しないようにするため、「若い頃は金髪だった」という設定が作られた。
- 本編時点の外見について、グッドスマイルカンパニー創業者でグッドスマイルレーシング代表の安藝貴範をモデルにしている。
その他
雪平 冴子 ()- 声 - 恒松あゆみ
- 女性向けファッション誌の編集長。孝哉の元妻で、今も孝哉に仕事を回している。
- 孝哉とは離婚しているが、彼の「人を見る目」は信用しており、悠にも期待する
- 孝哉からは現在でも「冴ちゃん」(さえちゃん)と呼ばれているが、そのたびに「雪平」と呼ぶようたしなめている。
- キャラクター造形:
- 大学時代に新聞部に所属しており、孝哉とはその頃に知り合い、学生結婚した。孝哉と離婚した経緯については特に設定されていない。
- 外見について、あおきの要望で映画『TENET テネット』出演時のエリザベス・デビッキをモデルにしており、原案の志村貴子に参考として映像を見せた上で依頼がされたという。
- 「冴子」という名前は制作プロデューサーの長野敏之がつけた。
浅雛 澄 ()- 悠の父親で、作品開始時点で故人。
- 生前はレーシングドライバーだったが、悠が子供の頃にレース中の事故で死去した。レースで優勝した時に悠を連れて表彰台に登壇したことがあり、悠がドライバーを目指した理由の半分は父の影響による。
- 小牧太や笑生とはレース仲間で、太とは家族ぐるみの付き合いがあった。笑生は、ドライバーとしての澄について、理論派でありながら情熱的で、何より走るのが好きだったと評している。
- 第6話で描かれる事故時の参戦カテゴリーのフォーミュラカーは架空のもので、事故が起きたサーキットについても架空のものとなっている。
- 実況
- 声 - 金丸淳一
- FIA-F4選手権の実況アナウンサー。基本的には声のみの登場だが、第5話と最終話のみ本人の姿が登場する。
- 実際のレースでは実況アナウンサーと解説者がレース中は常に話し続ける形が一般的で、FIA-F4選手権でもそれは同様だが、本作では、それでは情報量が多くなりすぎるという判断から、ここぞという場面だけで実況を入れるという演出方針が採られている。
用語・設定
小牧モータース ()
- 主人公の浅雛悠が所属するF4チーム。家族経営の弱小プライベーターで、ドライバーの悠、メカニックの錮太郎、オーナーの太の3人という最小規模で運営されている。
- 予算はF4チームの中でも小さく、年間1100万円ほどで運営されている。
- スポンサーはなく、F4には前のオーナーが何シーズンも走った中古を安く譲り受けた車両で参戦している。資金繰りは常に厳しかったが、第3話で飲料メーカーの「三日月飲料」がスポンサーについた。
- 設定上のキーカラーは「白」。
- モデル:
- 社屋のモデルになっているのは御殿場市の鬼頭モータースで、ロケハン時に小牧モータースのモデルとなる整備工場を探して御殿場市内のいくつかの整備工場を回った中で、スタッフの満場一致で決まった。
- 作品中でF4車両が置いてあるガレージは、実際には作業場となっていたスペースを使用している。
- 第2話で語られる「約1100万円」という年間予算は、GTAから参考情報として提供されたもので、実際のF4チームで最小予算で運営されていた例に基づいている。低予算で参戦することの苦労などは、元F4ドライバーの岸剛之への取材も参考にされた。
- ベルソリーゾ(Belsorriso)
- 笑生教典のレーシングチーム。F4で常に表彰台入りを争うトップチームで、潤沢な資金によって運営されている。F4では、早月(#35)、徳丸(#36)を含め、計4名をドライバーとしてエントリーさせている。
- 活動の主体はメインレースであるSUPER GTへの参戦で、以前からGT500クラスとGT300クラスの両方に参戦しており、大勢のスタッフを抱えている。F4チームは最近立ち上げたもので、自動車メーカーの育成プログラムを模範に、若手ドライバーの育成を始めている。
- F4では、1台当たり年間1800万円ほどの予算を使っていると考えられている。F4チームの中でも多額ではあるが、「イコールコンディション」という規則があるF4では車に手を入れられる範囲が限られることから、チームの規模に比べると比較的少額の出費となっている。笑生は、F4では車に使える予算に限度がある代わりに、ドライバー育成に資金を投じている。
- 設定上のキーカラーは「赤」。チーム名の「Belsorriso」は、イタリア語で「素敵な笑顔」を意味する。
- ドライバーの扱い:
- 笑生の方針でドライバー育成に力を入れている。早月と徳丸は作品本編の前年にドライバーオーディションを受け、F4のドライバーに選ばれた。
- ファーストドライバーの早月とセカンドドライバーの徳丸の役割を明確に分けているが、ルール的にはグレー。他の2名のドライバーである
結谷迅 (#38。声 - 山下誠一郎)、加賀山諒 (#37。声 - 小林千晃)は、実力としては早月と徳丸よりだいぶ落ちるという描写になっている。 - 早月と徳丸のどちらも上位カテゴリーへのステップアップを目指しており、F4はあくまで通過点と考えている。
- 小牧モータースとベルソリーゾ以外のF4チームについても、詳細な設定が作られた。(→#チームの設定)
- 富士スピードウェイ
- 静岡県小山町に所在するサーキット。
- F4の開催地やテスト走行時のコースとして各話で登場するほか、第5話ではマラソン大会のゴールとして登場。
- 『レースマン』
- 作中作。正義のレースマンが悪の迷惑ドライバーと戦うという内容の子供向け作品。
- 第2話で、御殿場市のポッポ広場で出会った子供(声 - 小市眞琴)から悠と孝哉が教えられ、「熱い勢いはヒーローの証!!」と書かれたレースマンの小さなステッカーが悠の車体に貼られるようになった。
- 作品中のステッカーではデフォルメされた絵で描かれているが、通常頭身のデザインも設定されている。監督のあおきからは「ご当地ヒーローのような感じで」ということで、発注された。
- 三日月飲料
- 第3話から小牧モータースのスポンサーとなった飲料会社。冴子の雑誌に広告を載せている縁で、孝哉が撮影した悠の写真を紹介され、悠に興味を示してスポンサーとなる。
- 悠を「本気のライム炭酸」のイメージキャラクターに起用してテレビCMを作り、孝哉が撮影した写真もCMに採用した。
- 担当者の佐藤(声 - 長谷川育美)らは孝哉の写真を気に入っていたのだが、孝哉がかつて震災に際して炎上していた「雪平孝哉」だということが発覚したことで、スポンサーから降板してしまう。
- 東北で起きた震災
- 本編の12年前に東北地方で起きた震災で、取材のため岩手県大船渡市を訪れていた孝哉も被災する。(→#震災の扱いについて)
- 孝哉は以前にも同地に取材に訪れており、現地の菊池祐志(声 - 興津和幸)と、二本松正三(声 - 辻親八)、正三の孫娘の二本松もも(声 - 稲垣好)とは知り合いだった。震災に際して、孝哉は津波に飲まれるももを助けることができず、そのことでトラウマを負う。
F4関連用語
現実に存在するレースを題材にしているため、作品中に出てくる制度やモータースポーツ用語は現実のそれらがそのまま使用されている。以下は、作品中の設定に沿って用語と解説を記述している。
F4 () /フォーミュラ4 ()
- 主人公の悠らが参戦している自動車レースシリーズ。通称「F4」。
- F4は自動車レースの入門カテゴリーで、フォーミュラ1(F1)、フォーミュラ2(F2)、フォーミュラ3(F3)の下位に位置づけられている。全車をイコールコンディションとする規則があり、チームが車両を変更・改造できる範囲は大幅に制限されている。
- 出場のハードルは比較的低く、出場者も様々で、ドライバーを上位のカテゴリーへステップアップさせることを目的として参戦しているチームもあれば、レースを趣味として楽しむために参加しているチームもある。作品中の選手権では、20チーム・36台が参戦している。(→#チームの設定)
- F4はSUPER GTのサポートレース(前座)として併催されており、日本国内で年間数ラウンドが開催されている。
- 現実に存在するシリーズで、正式名称は「FIA-F4選手権」(エフアイエー エフフォー -)。作品中でも、最終話のレーススタート時に「FIA」も含めたこの名で呼ばれている。
- ドライバーライセンス
- モータースポーツに参加するために必要なライセンス。
- F4にエントリーするには、国内A級以上かつ国際B級以下のライセンス、もしくは限定国内A級のライセンスが必要。
- 作品中では特に説明されていないが、「限定国内A級」は、未成年(18歳未満)のドライバーたちがレースに参戦できるよう発給されるライセンスで、該当する悠と早月はこのライセンスを取得してF4に参戦していることになる。
- スリップストリーム
- 前を走る車両が空気を引き裂くことによって後方の空気流に起きる現象で、直後を走る車両は低い空気抵抗で走れる。F4では、通常はライバルが作ったスリップストリームをオーバーテイクに利用する形で使われているが、ベルソリーゾはファーストドライバーをサポートする手段としても使用している。
- コローニ・C4
- かつて服部尚貴が運転したF1車両。1991年日本グランプリで100人以上の小口スポンサー(ファンたち)の名前を車体に記入した姿で走った。御殿場の支援者たちの名前を入れた小牧モータースのF4車両は奇しくもそれを想起させるものとなり、太はそれを気に入る。
製作・制作
企画の経緯
TROYCA社長の長野敏之(本作プロデューサー)、あおきえい(監督)、KADOKAWAの間の定例会議で交わされた雑談の中で、自動車レースのフォーミュラ4(F4)が面白いという話になったことが企画の端緒となった。この話を聞いたあおきと長野が、F4に存在するチーム間の格差の大きさに面白みを感じ、『下町ロケット』や『がんばれ!ベアーズ』、『クール・ランニング』のような、弱小チームが勝っていく物語を作れるのではないか、というところから企画が始まった。そして、F4についてのリサーチは2017年に始まった(→#時系列)。
作品名
企画時の仮タイトルは『
『オーバーテイク!』という作品名はTROYCAの社内で公募された案の中から決められた。『オーバーテイク!』という名前に決まった後も、本当にそれで良いのかという悩みがしばらくあったという。公式略称は設けていない。
スタッフ
制作陣の主要なスタッフは、TROYCAの最初の作品である『アルドノア・ゼロ』(2014年作品)と近しいものになった。これは、10周年企画ということで意図してそうしたわけではなく、結果的にそうなったものだという。
F4の取材
実在のレースを舞台とする本作品は、FIA-F4選手権の主催団体であるGTアソシエイション(GTA)などの協力も得て、制作にあたって実際のレースについての綿密な取材が行われた。そうすることになった一因として、過去に自動車レース、特にフォーミュラレースを題材にしたアニメは数が少なく、リファレンスとできるような先行作品が乏しく、自分たちで調べるほかなかったという事情もあったという。
結果として、取材期間は3年以上に及び、TROYCA史上、取材に費やした期間が最も長い作品となった。
F4関連組織の協力
FIA-F4選手権の世界を舞台にするにあたり、主催者であるGTAのほか、童夢(車両)、トムス(エンジン)、ダンロップ(タイヤ)という、サプライヤー3社(いずれもワンメイク)全てと、アライヘルメットなどが協力している。
サーキットも、富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、モビリティリゾートもてぎ、スポーツランドSUGOが協力しており、ロケハンが各サーキットで行われた(ロケハンの時期は「#時系列」を参照)。
最終的にそうした組織に協力を得られるようになったが、取材を始めた当初は、FIA-F4の窓口がわからなかったため、KADOKAWAの伝手を頼りに、モータースポーツを知っている人や経験者に手あたり次第に接触する形で取材が進められ、主催団体のGTAに到達するまでにかなりの月日を要した。
実在の会社の社名やロゴマークなどについて、当初は使えないものと考えていたが、トムスやダンロップ(住友ゴム工業)をはじめとする各社から使用許可が得られた。サーキットのコース脇の広告看板についても、実在企業のロゴがそのまま使用されている。「FIA」の名称を作品中で使えるかも懸念されたが、これも、フランスの国際自動車連盟(FIA)から名称使用の快諾が得られた。
F4の再現
F4のレースを再現するにあたり、3D CGが全面的に取り入れられた。車両を3D CGで制作することは当初からの予定通りだが、取材の結果を受けて、サーキットについてもコース全体を3D CGで制作することになった(後述)。
それまで、あおきの作品は作画にかかる労力が重めなものが多かったため、当初、本作品は軽めな作品とすることを意図して企画されていた。しかし、F4についての取材を進める内に制作に必要な素材が膨大だと発覚し、作画にかかる労力は当初の想定よりも大きなものとなった。これら3D CGはいずれもスティミュラスイメージが手掛け、美術監督の伊藤聖による美術設定になじむよう調整が重ねられた。エンジン音などの音声についても、後述するように、実車からの収録が行われた。
そうした再現を行うため、制作のTROYCAからGTA、各サプライヤー、各サーキットといったF4関連組織には数多くの確認事項が発生した。それらの問い合わせに対して各組織からの手厚い助力があった手前もあり、ミスはあまり許されないと考え、制作は慎重に進められ、制作の困難さは『アルドノア・ゼロ』以上だったとプロデューサーの長野は述べている。監督のあおきえいも、現実にあるカテゴリーを舞台としたため調べることが多く、自身がそれまで監督として手掛けてきた作品の中でも「間違いなく過去一のハイカロリー作品」だと述べている。
車両の再現
車両の3D CGについては、実車の製造メーカーである童夢からの監修とフィードバックを受けながら制作が進められた。エンジン音は実車のそれが使用され、そのために、音響効果の担当者がサーキットに出向き、F4車両の各部に機材を取り付け、サーキットを走行する実車から各種エンジン音の収録が行われた。
F4はワンメイクレースで、全参加者が同じ型の競技車両を使用するため、車両の3D CGは1モデルだった。しかし、カラーリングは各チームで異なり、作品中では20チーム・36台が参戦していることから、大量の張り込み素材の作成が必要となった(「#チームの設定」も参照)。加えて、それら全車は第1話から登場しているため、全てを1話までに用意する必要もあった。
車体のスポンサーロゴは、童夢、トムス、ダンロップの3社と、カーナンバーの「F4」や「OTG」(大阪トヨペットグループ)、リアウィング側面のブレーキパッドメーカー各社は実在する企業等のロゴが使用されている。他は架空のロゴで、TROYCAのアニメ『Re:CREATORS』(2017年作品)から流用されたロゴが多数ある。
サーキットの再現
サーキットについても、取材により得た情報を基に、レーシングコース全体に加え、ピットなどの付帯設備やコース脇の看板などが、3D CGによって再現されている。
再現するにあたり、サーキットのレーシングコースを実際に周回しての撮影(写真と動画)も行われており、そうした撮影は、夕方から日没にかけて、清掃の時間を使って行われた。
- コース全体を3D CGとした経緯
- 企画当初の計画では、レース中の映像は「スペシャルな」数カット分だけをCGモデルで作り、作画カロリー(アニメの作画にかかる労力)を軽くする方針だった。しかし、それではしっくり来なかったため、レーシングコース全体を3D CGとして制作することになった。この段階で、既に作業としては予定外だった。
- コースを3D CGとする方針になった後も、ホームストレートについては、グランドスタンドとピットという、ディティールが細かく、作成に手間のかかる施設があることから、省略することが検討された。しかし、結局、それらも全て3D CGで制作することになった。
- 3D CG制作
- サーキットの3D CGについて、作成には3ds Max、レンダリングにはUnreal Engine 5が用いられた。
- ピットとパドック
- レース中、F4はSUPER GTのピットボックス前で作業することになるため、ピットボックス内にGT車両を置く必要があることから、GT車両のCGモデルもGT500に参戦していた3メーカーの各車が作成された。
- 実際のレースでは、サインエリア(ピットウォール)にSUPER GTの各チームのコマンドボックスが置かれているが、この再現は手間がかかりすぎるため、設置は省略されている。
- F4チームが整備などを行うパドックテントは、テントそのものは同じだが、内部はチームごとに内装や置いてある機材などが異なるため、複数の設定を作成して組み合わせて構築された。F4のパドックテントは、各サーキットパドックエリア内の駐車場に仮設されるもので、サーキットによってチームの配置が異なるため、配置図の設定もサーキットごとに作成された。
チームの設定
本作品中では20チーム・36名のドライバーがF4に参戦している。ストーリー上に登場するのは小牧モータースとベルリーゾの2チームのみだが、他の18チーム(モブチーム)についても詳細な設定が作られた。
レーシングスーツの腰ベルト部分にローマ字表記の名前と血液型を入れる必要があることから、全チーム36名のドライバーについて、フルネームと血液型が設定されている。こうした設定は、アートディレクションの有馬トモユキ、瀬島卓也が作成した。
演出方針
ストーリー / シナリオ
1クールしかないオリジナル物であるため、原作物に負けないような、物語としての「強度」という点を意識したと監督のあおきは述べている。
脚本(シナリオ)の段階で、モータースポーツに興味のない視聴者にも楽しめるようにするという点にも注意が払われた。そのため、モータースポーツを知らない人が見ても、モータースポーツについて徐々に理解できるような作品とすることが目指された。モータースポーツ用語の説明が少なくないが、そうした用語については、脚本や絵コンテの各段階でGTAの監修を受けている。
キャラクター
あおきはキャラクターをちゃんとやりたいということを本作のテーマのひとつとしており、「キャラクターの魅力」という点について何をもってキャラクターの魅力と言うのか考え直したと下記のように述べている。
物語を作る上で、「キャラクターが魅力的」だとか「魅力的なキャラクターが織りなす〇〇の物語」みたいな、「魅力的な」という言い方をよくする。「キャラクターの魅力」って何をもってキャラクターが魅力的と言うんだろうというところから、自分の中でもう一回考え直した。
—あおきえい
また、キャラクターについて、「捨てキャラ」が出ないようにすることや、大人の登場人物たち(太、笑生、冴子)を大人として描くということが心がけられた。これは、かつて制作した『アルドノア・ゼロ』でサブキャラクターたちを活かしきれなかったことや、(戦友として描く必要があったことから)大人と子供のメンタリティの違いを描けていなかったことへの反省による。
群像劇としての成立の仕方が非常によくできている。全話を通して観終わった時に「拾われなかったなこいつ、何のために出てきたんだ?」というキャラクターがいないという感じの作りにはなっている。
—長野敏之
各キャラクターについて、最初に見た時の印象と、物語が進んでいった時の印象が違うほうがよいのではないかという考えで造形されている。
作画上の演出としては、『アルドノア・ゼロ』とは異なり、漫符などの漫画的な誇張表現も積極的に用いられた。
アフレコ
アフレコにおいては、演者とスタッフがディスカッションを重ね、試行錯誤をしながら収録が進められ、時にはそうしたやり取りが長丁場なものになったと主演の古屋亜南は述べている。台本そのものは作りこまれていたため、セリフそのものにアドリブはあまりないものの、芝居には「アドリブ力」のようなものが求められ、会話のライブ感を重視して収録が行われたという。
演者に任せる部分が多く、セリフの尺は台本に記載があったものの、それを「全部無視していい」という指示があるくらい会話の自然なテンポを重視して収録が行われ、結果として本来の尺より長くなったり短くなったりしたこともあったと錮太郎役の畠中祐は述べている。
レースの表現
取材により、モデルとしているフォーミュラ4にワンメイク(全員が同じ型の車を使用)という制約があることから、実際のレースで使える戦術はそれほど多くはないことがわかった。そのため、レースの展開は、ドライバーの技術や車両のコンディションで差異をつける方針とした。あおきはYouTube上で公開されているF4の公式レース動画をひたすら見て研究し、レースシーンは実際のレースであったものを参考に組み立てるようにした。
F4車両の挙動やスピード感は、実車のそれに寄せすぎるとアニメの映像としてかえって違和感が出るため、演出上の嘘を多少つくようにしたという。本作CGリードアニメーターでレースシーンのアニメーションを担当していた高江智之は、車の挙動に運転しているドライバーの感情が乗るように心がけながらアニメーションを作成したと述べている。
レース中の映像の画面構成(カメラワーク)については、コース脇のカメラから望遠レンズで映したような映像や車載カメラの位置からの映像といった実際のテレビ中継と同様にすることでリアリティを志向しつつ、現実的には不可能なカメラ位置からの映像(アニメ的な演出)を組み合わせたものとしている。リアルな中継映像とアニメ的な表現のバランスには試行錯誤があり、第1話でリテイクを重ね、第1話のレースシーンがその後の基準になったという。レースシーンについては、カメラワークの見せ方を既存のカットと差異をつけるよう心掛けたため、後半の話になるほどアイデアを出すことに苦労があったとあおきは述べている。
各サーキットの走行ラインについては、どのライン取りとするのがF4にとって最も速いのか、制作側(あおき)には確証がなかったため、GTAからの助言を受けた。
レース中の順位については、場面ごとにどう変化するのか、カットに対応した順位表が必ず作成された。これは、絵コンテだけでは順位がわからなくなり、3D CG班が車両を配置できなくなるという事情による。こうした順位の推移表はTROYCAの笠原直徒が作成した。
震災の扱いについて
東日本大震災(東日本大震災津波)を扱うことについては、孝哉のトラウマの原因を設定するにあたって、高山カツヒコが提案した。物語の中に震災の話を入れるというこの案は構想の初期(企画の初期の初期)からあったものだが、現実に起きた災害で、しかも甚大な被害をもたらしたものでもあることから、扱うことについて慎重に議論が重ねられた。
(孝哉のトラウマの原因について)別に架空の事件でも、できなくはないわけです。でも、改めて冷静に考えたときに、「どうして震災を扱ってはいけないのだろう?」と思ったんです。被害に遭われた方々を苦しめてしまうのであればやるべきではないですが、何となく「扱うとまずいからやめよう」みたいな判断でやめるのは、ちょっと違うなと。
—あおきえい
ロケハンをするにあたって現地が難色を示すようであれば変更することも考えていたが、大船渡市による全面協力も得られることになり、誠意を持って作ることにしたとあおきは述べている。
作品中では「東日本大震災」という固有名詞は出てこない。第4話と第9話では、震災の描写があることについて注意喚起のためのテロップがテレビ放送と配信で表示されている。第9話では津波描写もあることから、放送前から注意喚起が行われた。
プロモーション
2023年1月の制作発表以降、プロモーションにおいては「モータースポーツの甲子園」というフレーズを用いている。このフレーズは、FIA-F4選手権のオフィシャルアナウンサーであるサネカタイッセイ(實方一世)が考案したもので、本作以前から、FIA-F4選手権のレース実況でよく使われているものである。
制作発表にあたり、本作をTROYCAの「10周年記念作品」と銘打ったのは、KADOKAWAからの勧めによる。
上映会
2023年10月の放送開始前から、本作のプロモーションの一環として、第1話の上映会(先行上映会)が複数回行われた。上映会の多くは、2023年のFIA-F4選手権を開催中のサーキットで、同選手権をサポートレース(前座)とする同年のSUPER GTシーズン各レースの会期中イベントとして行われた。下表のほか、作品の舞台となった小山町や御殿場市の住民向けにも先行上映会が行われた。
時系列
制作開始から放送終了までの公表されている時系列は下記の通り。
2017年11月に開催されたこの年のFIA-F4選手権の最終戦(Rd.7)で、最初の取材(ロケハン)が行われた。ロケハンに参加したスタッフはこの時がF4初観戦で、この時点では、シリーズ構成もプロットも何もなかった。その後、サーキットやレース関連会社への取材が3年以上に渡って続けられた。
反響・評価
レース関係者からの評価
車両とサーキットの再現(→#F4の再現)については、2023年1月の初報の時点で「非常にリアリティあふれる絵が作られている」とレース専門メディアから高く評価されている。音響面でも、F4車両が搭載するトムス・TZR42エンジンのエンジン音などが忠実に再現されていることが、レース関係者からたびたび賞賛されている。
放送開始後、脚本についても、作品中でFIA-F4の関連用語(→#F4関連用語)が非常にわかりやすく、かつ、さりげなくちりばめられている点について、TROYCAが元々モータースポーツを知らなかったからこそ、『FIA-F4とは何か』をうまく説明していると評価されている。
その他の反応
- 堂本光一は、自身のラジオ番組の中でリスナーからの手紙に答える形で、本作を視聴したことはないものの、実写ドラマ化されるようであれば出演したいと述べた。
楽曲
主題歌
- 「Tailwind」
- 叶によるオープニング主題歌。作詞はhotaru、作曲・編曲はeba。
- 第1話と最終話(第12話)ではエンディングに使用されている。第9話では使用されない。
- オープニング映像は第2話から使用され、監督のあおきえいが絵コンテを自ら手掛けた。あおきが最初に思いついたのは最初のカットと最後のカットで、最初のカットは青空に描かれた一本の飛行機雲をF4の車で追いかける悠、最後のカットは、最初のカットの裏返しで、青い海の上の一本道を走る悠となっている。最初のカットの「飛行機雲」は憧れを象徴し、最初のカットではそれを目指し、最後のカットでは自らがその姿になる、というイメージになっている。
- これまでの作品と同様、映像に水面と鏡面反射という表現(ウユニ塩湖)を出すか、あおきは悩んだが、最初のカットの水面という形で取り入れている。
- 「グッドラック」
- 畠中祐によるエンディング主題歌。作詞はyumeiroecho、作曲・編曲はイケガミキヨシ。
- 第1話、第9話、最終話(第12話)では使用されない。
- エンディングの映像をキャラクター原案の志村貴子に依頼するというのはプロデューサーの長野の案で、あおきには『アルドノア・ゼロ』のスペシャルED(第23話。志村の絵を使用している)が念頭にあった。
サウンドトラック
各話リスト
各話のサブタイトルはシリーズ構成の関根アユミが原則的に決めていて、話によっては監督のあおきえいが案を出した。
放送局
BD / DVD
ミニアニメ
- 『おーばーていく!えくすとら』
- YouTube『KADOKAWAanime』で2023年10月3日から配信されているミニアニメ。全13話(配信された全12話と特別編のRd.13)。
- 第2話以降、特別出演として日向(声 - 叶)が登場する。
- 脚本 - 関根アユミ
- 制作 - AQUASTAR.Inc
配信番組
『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル』のタイトルで、2023年10月8日から、YouTubeのTROYCA CHANNELにて、基本的に毎週日曜21時00分にTROYCA本社から生配信が行われていた。全12回。
パーソナリティは古屋亜南(浅雛悠役)とあおきえい(監督)。前週に放送された各話の解説を主題としており、アニメ本編を制作するにあたって作成した資料や、演出意図などを明かしつつ、制作時のエピソードを交えて番組は進められる。開始が21時で、AT-Xによるアニメ本編の最速放送が始まる22時までに終わるため、放送時間は基本的に1時間となる。視聴者の呼称は「子猫ちゃん」。
ほとんどの回で、シリーズ構成・脚本の関根アユミ、スーパーバイザーの高山カツヒコ、(ゲスト回以外の)長野敏之がコメントで参加してフォローを入れている。
- ゲスト
- 第1回 - 長野敏之(制作プロデューサー)
- 第4回 - 小西克幸(眞賀孝哉役)、長野敏之
- 第5回 - 長野敏之
- 第6回 - 津田涼介(ビジュアルエフェクト)、加藤友宜(撮影監督)
- 第9回 - 長野敏之
- 第10回 - 服部尚貴(GTアソシエイション・FIA-F4レースディレクター)、笠原直徒(3D制作)
- 第12回 - 高山カツヒコ(スーパーバイザー)、長野敏之、加藤友宜
主な協力組織
企画協力
- GTアソシエイション(GTA)
- FIA-F4選手権を主催している団体。メインレースのSUPER GTの主催団体でもある。
- 鬼頭モータース
- 小牧モータースの社屋のモデルとなった、実在する自動車販売・修理店。
- グッドスマイルレーシング
- フィギュアメーカー、グッドスマイルカンパニーが運営するレーシングチーム。本作の製作に参加している一社でもある。
- 本作の企画は、KADOKAWAの人物が同チーム関連でSUPER GTのレースを訪れたことが発端となっている。(→#企画の経緯)
- 大阪トヨペットグループ
- FIA-F4選手権のスポンサー企業で、各車のカーナンバー下にある「OTG」(Osaka Toyopet Group)は同社のレース活動であるOTGモータースポーツのロゴマーク。
- ロケハン時に、F4車両の走行音や形状の取材に協力を行っている。
設定協力
- 国際自動車連盟(FIA)
- F1を含めた世界のモータースポーツカテゴリーを統括する国際組織。
- 本作は「FIA-F4選手権」を舞台にするにあたり、「FIA」の名称を使用することの許諾を受けている。
- サプライヤー:
- 童夢
- FIA-F4選手権の全チームに車体を供給している。
- 本作に登場するF4車両の3D CGは、同社による監修とフィードバックを受けながら制作が進められている。(→#車両の再現)
- トムス
- FIA-F4選手権の全チームにエンジンを供給している。
- 住友ゴム工業
- 「ダンロップ」ブランドで知られる。FIA-F4選手権の全チームにダンロップタイヤを供給している。
- Arai
- ヘルメット製造メーカー。同社製ヘルメットをFIA-F4選手権に参戦するドライバーの多くが使用しており、本作でも悠、早月、徳丸はアライヘルメットを使用している。
- ブリッド
- FIA-F4選手権にレーシングシートを設計・製造し、全チームに供給している。
- エンドレスアドバンス・芝ライニングジャパン・PFCジャパン・制動屋
- FIA-F4選手権にブレーキパッドの設計・製造をし、複数のチームにそれぞれ供給している。
- FIA-F4選手権で、チームは、この4社を含む7社のいずれかから使用するブレーキパッドを選択している。それらのメーカーはリアウィングにロゴマークの表示があることから、本作でも、登場している全20チームについて、どのチームがどのブレーキパッドを使っているのか設定されている(→#チームの設定)。
- 自動車メーカー:
SUPER GTのGT500クラスに参戦している3メーカー全てが協力しており、作品中に各社のGT500車両の3D CGモデルが登場する。
- トヨタ自動車
- 本田技研工業・ホンダ・レーシング(HRC)
- 日産自動車・日産モータースポーツカスタマイズ
- その他:
- Re:CREATORS
- 『Re:CREATORS』の製作委員会。同作は、本作と同じ、TROYCA制作、あおきえい監督によるテレビアニメ作品(2017年)。
- 本作に登場するチームのスポンサーロゴのいくつかは『Re:CREATORS』から流用しており、それらは同作の製作委員会から許諾を得て使用しているため、「設定協力」に名前が載っている。
- Project AZ(第4話)
- 『アルドノア・ゼロ』の製作委員会。同作は、本作と同じ、TROYCA制作、あおきえい監督によるテレビアニメ作品(2014年)で、TROYCAの第1作目にあたる。
- 第4話で早月が着ていた制服は『アルドノア・ゼロ』に登場する架空の学校「新芦原高校」の制服であり、同作の製作委員会から許諾を得て使用していることから、「設定協力」に名前が載っている。
取材協力
- サーキット:
- 富士スピードウェイ
- ホンダモビリティランド - 鈴鹿サーキット(三重県)とモビリティリゾートもてぎ(栃木県)の2サーキットなどを運営している会社。
- スポーツランドSUGO
- 地方自治体:
- 御殿場市 魅力発信課
- 設定上、小牧モータースは御殿場市に所在。協力体制が構築される以前から、市内各所でロケハンが行われた。TROYCA側が協力を求めたところ、とんとん拍子で話が進んだ。
- 御殿場市は一部のテレビ放送でCMスポンサーも務めているが、元々、そうした協賛ありきで協力したわけではない。
- 小山町 地域振興課・観光交流課
- 富士スピードウェイが所在する自治体。御殿場市と隣接しており、第5話のマラソン大会の主催者としても名前が出ている。
- 大船渡市(第9話)
- 第9話のためのロケハンで協力を受けている。
- その他:
- 御殿場西高等学校
- 御殿場市に所在する高校で、悠、錮太郎、亜梨子が通う高校のモデル。その縁で同校でも第1話の先行上映会が催され、主演の古屋、監督のあおきは講演を行った。
関連項目
- ジェームス・ハントとニキ・ラウダのライバル関係
- 1976年シーズンの逸話が、早月の一連のエピソードの中で語られている。あおきは『オーバーテイク!』を作るにあたってレース関係の映画作品は一通り観たが、この二人の逸話を主題にした映画作品である『ラッシュ/プライドと友情』(2013年)については本作の企画以前から観ていたと述べている。
- 『サイゴンでの処刑』
- ベトナム戦争のテト攻勢(1968年)に際して、報道写真家のエディ・アダムズが撮影した写真。1969年のピューリッツァー賞・ニュース速報写真部門の受賞作。第9話で孝哉がこの写真の逸話に触れている。
- あおきからのオーダーはケビン・カーターの『ハゲワシと少女』(1993年)の逸話を基にした話というもので、スーパーバイザーの高山カツヒコが相当するモチーフとしてアダムズの逸話でドラフトを書いた。
脚注
注釈
出典
参考資料
- Blu-ray/DVD
- オーバーテイク! Vol.01 (Blu-ray/DVD). KADOKAWA. 2023年12月21日. ASIN B0CJ864NPS. 国立国会図書館サーチ:R100000002-I033158478。
- オーバーテイク! Vol.02 (Blu-ray/DVD). KADOKAWA. 2024年1月21日. ASIN B0CJ8559BR. 国立国会図書館サーチ:R100000002-I033158479。
- オーバーテイク! Vol.03 (Blu-ray/DVD). KADOKAWA. 2024年2月21日. ASIN B0CJ862V7T. 国立国会図書館サーチ:R100000002-I033158480。
- 雑誌 / ムック
- 『月刊ニュータイプ』(NCID AA11446856)
- 『2023年10月号』KADOKAWA、2023年9月10日。ASIN B0CGHF35GS。
- 『2023年11月号』KADOKAWA、2023年10月10日。ASIN B0CJ4SFD2G。
- 『2024年1月号』KADOKAWA、2023年12月10日。ASIN B0CNSM7GWP。
- 『アニメディア』(NCID AA12859217)
- 『2023年12月号』Gakken / イード、2023年11月10日。ASIN B0CKT2CLS3。
- 『2024年1月号』Gakken / イード、2023年12月8日。ASIN B0CLKZMBVS。
- 『声優グランプリ』
- 『2024年1月号』主婦の友社、2023年12月8日。ASIN B0CPHJ1MT9。
- 『Racing On』(NCID AA12806221)
- 『No.479 [F1最熱狂期]』三栄書房、2015年11月14日。ASIN B016B9G2WS。ASB:RON20151001。
- 『CGWORLD』(NCID AA11693163)
- 『vol.306(2024年2月号)』ボーンデジタル、2024年1月10日。ASIN B0CQJMYFVX。CGWORLD.jp; vol.306。
- 配信動画
- KADOKAWAanime - YouTubeチャンネル
- 『KADOKAWA×TROYCA オリジナルTVアニメ制作発表会』KADOKAWA、2023年1月20日。https://www.youtube.com/watch?v=MXgte4Ww8_E。
- 『TVアニメ「オーバーテイク!」THE CHALLENGE Rd.01「雨の中の先行上映会」』KADOKAWA、2023年10月1日。https://www.youtube.com/watch?v=OvEc_-NRH9Q。 - 出演:古屋亜南(浅雛悠役)、小西克幸(眞賀孝哉役)、河西健吾(春永早月役)
- 『TVアニメ「オーバーテイク!」THE CHALLENGE Rd.02「俺は…一人で走れる。」』KADOKAWA、2023年10月22日。https://www.youtube.com/watch?v=VB1ehufGUBQ。 - 出演:古屋亜南
- 『TVアニメ「オーバーテイク!」THE CHALLENGE Rd.03「悠が挑むスピードの世界へ。」』KADOKAWA、2023年12月17日。https://www.youtube.com/watch?v=eRJnjVCl3e8。 - 出演:古屋亜南、宮田莉朋
- TROYCA CHANNEL - YouTubeチャンネル
- 各話振り返り動画 - 出演:古屋亜南(浅雛悠役)、あおきえい(監督)
- 『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」放送直前スペシャル~』Troyca、2023年10月1日。https://www.youtube.com/watch?v=aYlAE-8EVqQ。
- 『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル 第1話 ~』Troyca、2023年10月8日。https://www.youtube.com/watch?v=qm6kW1t1v3I。 - ゲスト:長野敏之(制作プロデューサー)
- 『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル ~ 第2話』Troyca、2023年10月15日。https://www.youtube.com/watch?v=MNOFbSSPnQs。
- 『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル ~ 第3話』Troyca、2023年10月22日。https://www.youtube.com/watch?v=OES26i3cJxY。
- 『トロイカYouTube生放送〜「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル〜マチアソビ出張版!』Troyca、2023年10月28日。https://www.youtube.com/watch?v=IDrPZM0y7ns。 - ゲスト:小西克幸(眞賀孝哉役)、長野敏之
- 『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル ~ 第5話』Troyca、2023年11月5日。https://www.youtube.com/watch?v=NXxx3ytm7XA。 - ゲスト:長野敏之
- 『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル ~ 第6話』Troyca、2023年11月12日。https://www.youtube.com/watch?v=LsnsftHMt6I。 - ゲスト:津田涼介(ビジュアルエフェクト)、加藤友宜(撮影監督)
- 『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル ~ 第7話』Troyca、2023年11月19日。https://www.youtube.com/watch?v=j8c9PFLluoo。
- 『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル ~ 第8話』Troyca、2023年11月26日。https://www.youtube.com/watch?v=MSH7arwfNb8。
- 『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル ~ 第9話』Troyca、2023年12月3日。https://www.youtube.com/watch?v=hKpZUIUL-f0。 - ゲスト:長野敏之
- 『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル ~ 第10話』Troyca、2023年12月10日。https://www.youtube.com/watch?v=_aDIO-l577E。 - ゲスト:服部尚貴(GTアソシエイション)、笠原直徒(3D制作)
- 『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル ~ 第11話』Troyca、2023年12月17日。https://www.youtube.com/watch?v=XlHRoQKE_H8。
- 『トロイカYouTube生放送 ~「オーバーテイク!」振り返りトークスペシャル ~ 第12話』Troyca、2023年12月23日。https://www.youtube.com/watch?v=jeoUigogr4I。 - ゲスト:高山カツヒコ(スーパーバイザー)、長野敏之、加藤友宜
- メイキング映像
- 『【TVアニメ「オーバーテイク!」】放送直前特別メイキング映像 part1 富士スピードウェイ』Troyca、2023年9月30日。https://www.youtube.com/watch?v=zhR3MFxXJf0。
- 『【TVアニメ「オーバーテイク!」】放送直前特別メイキング映像 part2 F4マシン』Troyca、2023年10月4日。https://www.youtube.com/watch?v=TN6gGrZdjo0。
- 『【TVアニメ「オーバーテイク!」】放送直前特別メイキング映像 part3 音響』Troyca、2023年10月11日。https://www.youtube.com/watch?v=HsM1jCv9QlU。
- 『【TVアニメ「オーバーテイク!」】特別メイキング映像 part4 モビリティーリゾートもてぎ』Troyca、2024年1月4日。https://www.youtube.com/watch?v=pVBGbS00LcQ。
- 『【TVアニメ「オーバーテイク!」】特別メイキング映像 part5 鈴鹿サーキット』Troyca、2024年1月8日。https://www.youtube.com/watch?v=Zsz4V7A4VX0。
- ロケハン動画
- 『【#01 Location Hunting】モビリティーリゾートもてぎ【オーバーテイク!】』Troyca、2023年9月24日。https://www.youtube.com/watch?v=wYHrRCKWeBU。
- 『【#02 Location Hunting】富士スピードウェイ【オーバーテイク!】』Troyca、2023年9月29日。https://www.youtube.com/watch?v=D5NEWvFvETo。
- 『【#03 Location Hunting】御殿場市街【オーバーテイク!】』Troyca、2023年10月7日。https://www.youtube.com/watch?v=Qpe-VG-5mLE。
- 『【#04 Location Hunting】秩父 宏有・野口商会【オーバーテイク!】』Troyca、2023年10月18日。https://www.youtube.com/watch?v=WoAremtN-lQ。
- 『【#05 Location Hunting】富士スピードウェイ2回目【オーバーテイク!】』Troyca、2023年10月21日。https://www.youtube.com/watch?v=oL9gjTU4qnY。
- 『【#06 Location Hunting】株式会社KADOKAWA【オーバーテイク!】』Troyca、2023年10月25日。https://www.youtube.com/watch?v=A-idp0z94lQ。
- 『【#07 Location Hunting】モビリティーリゾートもてぎ2回目【オーバーテイク!】』Troyca、2023年10月28日。https://www.youtube.com/watch?v=PWe4-W6nM84。
- 『【#08 Location Hunting】鬼頭モータース【オーバーテイク!】』Troyca、2023年11月4日。https://www.youtube.com/watch?v=CyF5WlBJMGc。
- 『【#09 Location Hunting】富士スピードウェイ3回目【オーバーテイク!】』Troyca、2023年11月8日。https://www.youtube.com/watch?v=V1rYcoAVIbI。
- 『【#10 Location Hunting】株式会社童夢【オーバーテイク!】』Troyca、2023年11月11日。https://www.youtube.com/watch?v=dR3TSmCt15Y。
- 『【#11 Location Hunting】株式会社トムス【オーバーテイク!】』Troyca、2023年11月15日。https://www.youtube.com/watch?v=s_8by24_FZ4。
- 『【#12 Location Hunting】富士スピードウェイ4回目【オーバーテイク!】』Troyca、2023年11月17日。https://www.youtube.com/watch?v=Yg8Lw6RtZQ0。
- 『【#13 Location Hunting】富士スピードウェイ5回目【オーバーテイク!】』Troyca、2023年11月22日。https://www.youtube.com/watch?v=qKmTbYHeQw0。
- 『【#14 Location Hunting】鈴鹿サーキット【オーバーテイク!】』Troyca、2023年11月24日。https://www.youtube.com/watch?v=3lQHewXCUNU。
- 『【#15 Location Hunting】御殿場市街 2回目【オーバーテイク!】』Troyca、2023年11月29日。https://www.youtube.com/watch?v=KvI9RTvr_5o。
- 『【#16 Location Hunting】岩手県 大船渡市【オーバーテイク!】』Troyca、2023年12月6日。https://www.youtube.com/watch?v=L1s8C7HN-uA。
- 『【最終回】【#17 Location Hunting】富士スピードウェイ6回目【オーバーテイク!】』Troyca、2023年12月8日。https://www.youtube.com/watch?v=MmLyZGYZoEQ。
- 各話振り返り動画 - 出演:古屋亜南(浅雛悠役)、あおきえい(監督)
外部リンク
公式
- TVアニメ「オーバーテイク!」公式サイト
- TVアニメ『オーバーテイク!』公式 (@komaki_motors) - X(旧Twitter)
データ
- オーバーテイク! - allcinema(日本語)
- Ôbâteiku! - IMDb(英語)
- Overtake! - IMCDb(英語)
その他
- オーバーテイク! × 御殿場市 - 御殿場市による特設ページ




