箱館桝形(はこだてますがた)とは、北海道函館市にあった番所である。
概要
江戸幕府前直轄時代に地蔵町(旧町丁名)と鶴岡町(旧町丁名)の境にある箱館入口杭がある場所に設けられた番所で、箱館の市街地に出入りする旅人を検問していた。形が方形で周囲に土堤や木柵で囲っていたので桝形と呼ばれた。町の拡大とともに亀田側へ人家が建て並んだため、安政5年2月に江戸幕府が撤去した。跡地は貸し長屋が建設された。現在の位置は函館市企業局交通部運営の路面電車停留場「魚市場通停留場」付近。
松浦武四郎の『蝦夷日誌』(1845年<弘化2年>)によると、番所の付近には一軒の茶屋があって送り迎えをする人や夕涼み、春の潮干狩りの行楽客でにぎわいがあったとする。茶屋の店名は清水屋で、奥地(さらに北の方向)に向かう人の送別会などが開かれた。
脚注
参考文献
- 函館市史 通説編第1巻 函館市総務部函館市史編さん室編 函館市 1980年
- 函館市史資料集 第29集 函館市史編纂委員会 1958年
関連項目
- 一本木関門 - 箱館と亀田の境界にあった関所。函館市若松町、海岸町。
- 桝形 - 本来の桝形の意味。虎口。




