数学において、級数あるいは積分が条件収束(じょうけんしゅうそく)するとは、収束するが絶対収束しないことをいう。

定義

正確には、級数

n = 0 a n {\displaystyle \sum _{n=0}^{\infty }a_{n}}

条件収束する (converge conditionally) とは、

lim m n = 0 m a n {\displaystyle \lim _{m\to \infty }\sum _{n=0}^{m}a_{n}}

が存在して有限の数である(∞ や −∞ ではない)が、

n = 0 | a n | = {\displaystyle \sum _{n=0}^{\infty }\left|a_{n}\right|=\infty }

であることをいう。

古典的な例は次の交代級数

1 1 2 1 3 1 4 1 5 = n = 1 ( 1 ) n 1 n {\displaystyle 1-{1 \over 2} {1 \over 3}-{1 \over 4} {1 \over 5}-\cdots =\sum \limits _{n=1}^{\infty }{(-1)^{n 1} \over n}}

であり、これは log 2 に収束するが、絶対収束しない(調和級数を参照)。

ベルンハルト・リーマン (Bernhard Riemann) はリーマンの級数定理と呼ばれる次の定理を証明した。条件収束する級数は、項の順序を入れ替えることによって、∞ や −∞ を含むどんな和にも収束させることができる。

典型的な条件収束積分は sin(x2) の非負の実軸上の積分である(フレネル積分を参照)。

関連項目

  • 絶対収束
  • 無条件収束

参考文献

  • Walter Rudin, Principles of Mathematical Analysis (McGraw-Hill: New York, 1964).

【級数】コーシーの収束判定法とは~具体例8つと証明~ 数学の景色

43. 絶対収束 条件収束 (3)〈解析概論を読む〉 YouTube

収束を定義するのは困難だとさ ティエム・イメージング

45. 条件収束の判定法 (1)〈解析概論を読む〉 YouTube

条件収束級数の不思議な性質②~規則正しく並べ替え~ YouTube