インド南部のタミル・ナードゥ州には38の県が設置されている。元のタミル語ではமாவட்டம்(マーヴァッタム)と言い、直訳すれば「大円」である。日本語である地点を中心とした広い地域を「一円」と呼ぶ時の「円」と、同じ発想である。英語では district と訳される。
県は、二通りの地域区分を有している。一つは郡(வட்டம்:ヴァッタム;直訳すれば「円」;taluk)であり、もう一つは区(block)である。
また、それらとは別個に、都市は市(municipality)として区別される。その中でも大都市は政令指定都市(மாநகரம்:マーナガラム;「大都市」)とされ、自治体組織(மாநகராட்சி:マーナガラークシ;「大都市政庁」;municipal corporation)を有している。現在の政令指定都市は、チェンナイ・コーヤンブットゥール・マドゥライ・ティルネルヴェーリ・ティルッチラーッパッリ・セーラムの6市である。
現状
タミル・ナードゥは、以下のように、38の県に区分されている。最新の情報は、英語版List of districts of Tamil Naduを参照されたい。
【五十音順】
【英訳のアルファベット順】
歴史
1947年のインドの独立と同時に、英国統治下のマドラス管区とサンドゥール藩王国・バンガナパッリ藩王国・プドゥッコーッタイ藩王国はマドラス州となった。1953年にはマドラス州の北部11県がアーンドラ・プラデーシュ州として分離し、1956年にはマドラス州からダクシナ・カンナダ県がマイソール州に、マラバール県がケーララ州にそれぞれ編入され、カンニヤークマリ県がティルヴィターンクール・コッチ州からマドラス州に編入された。これ以降、マドラス州とその後身であるタミル・ナードゥ州の州境は変化していない。
1968年、マドラス州は州名をタミル・ナードゥ州とし、州名変更時は14県であった。
- 1974年1月14日:ティルッチラーッパッリ県とタンジャーヴール県との一部が、プドゥッコーッタイ県となる。
- 1979年8月31日:コーヤンブットゥール県からペリヤール県が分離する。
- 1981年:タンジャーヴール県からナーガッパッティナム県が分離する。
- 1985年3月8日:ラーマナータプラム県からカーマラージャル県とパスンポン・ムドゥラーマリンガ・デーヴァル県が分離する。
- 1985年9月15日:マドゥライ県からティンドゥッカル県が分離する。
- 1986年:ティルネルヴェーリ県が、チダンバラナール県とネッライ・カッタポンマーン県とに分かれる。ネッライ・カッタポンマーン県は後にティルネルヴェーリ・カッタポンマーン県となる。
- 1989年9月30日:ノース・アールカードゥ県が、ティルヴァンナーマライ・サンブヴァラーヤル県とノース・アールカードゥ・アンベードカル県とに分かれる
- 1993年9月30日:サウス・アールカードゥ県が、カダルール県とヴィリュップラム県とに分かれる。
- 1995年11月1日:ティルッチラーッパッリ県からカルール県とペランバルール県が分離する。
- 1996年:多くの県名が変更される。
- カーマラージャル県がヴィルドゥナガル県になる。
- マドラス県がチェンナイ県になる。
- パスンポン・ムドゥラーマリンガ・デーヴァル県がシヴァガンガイ県になる。
- ペリヤール県がイーロードゥ県になる。
- チダンバラナール県がトゥディッコーリン県になり、後にティルネルヴェーリ県に改称する。
- ティルネルヴェーリ・カッタポンマーン県がティルネルヴェーリ県になる。
- ティルヴァンナーマライ・サンブヴァラーヤル県がティルヴァンナーマライ県になる。
- ノース・アールカードゥ・アンベードカル県がヴェールール県になる。
- 1997年1月1日
- セーラム県からナーマッカル県が分離する。
- マドゥライ県からテーニ県が分離する。
- ナーガッパッティナム県からティルヴァールール県が分離する。
- 1999年:チェンガルパットゥ県がカーンチプラム県とティルヴァッルール県とに分かれる。
- 2000年:ペランバルール県からアリヤルール県が分離する。
- 2003年:ペランバルール県とアリヤルール県とが再合併する。
- 2004年:ダルマプリ県からクリシュナギリ県が分離する。
県自治体
各県は、県長官(英語で District Collector と訳される)を筆頭とした行政機関(英語では collectorate あるいは administration と訳される)を有する。
外部リンク
各県の公式サイト
政令指定都市の公式サイト
- チェンナイ市公式サイト (英語)
- コーヤンブットゥール市公式サイト (英語)
- マドゥライ市公式サイト (英語)




