『鬼火ロウドン』(おにびロウドン、 'Blue Blazes' Rawden)は、 1918年のアメリカのサイレント映画で、ウィリアム・S・ハートが監督、主演である。
この映画は保存されており、さまざまな視聴形式で視聴できる。
ストーリー
木こりの鬼火」ことロウドンは、「レディフィンガー」ことヒルガードの酒場へと戻る。そこでかれは喧嘩を売ってきた無頼漢のジョーを返り討ちにしたところ、その場にいたレディフィンガーの愛人兼踊り子のバベットが一目ぼれする。
また、ヒルガードはロウドンとカードゲームで勝負をするも負けたため、店とバベットを賭けて暗室で拳銃で決闘することを申し出る。ヒルガードはロウドンの銃から弾丸を抜いたものの、臆病な性格故ロウドンを撃ち抜けず、逆にロウドンに撃たれて死ぬ。死の間際、ヒルガードはロウドンに自分の母が来るからよろしく頼むと言い残す。遺言通り、ロウドンは町を尋ねてきたヒルガードの母と弟・エリックの面倒を見るが、やがて心苦しくなり、町を去ることにした。バベットがロウドンに相手にされないことを怒る中、エリックはロウドンを撃つ。ロウドンが消息を絶った後、エリックは兄の行いを知るが、母には伝えなかった。
キャスト
- ブルー・ブレイズ・ロウデン - 木こり : ウィリアム・S・ハート
- バベット・デュフレーン - 酒場の踊り子、レディフィンガーの情婦 : モード・ジョージ
- ジョン・トレベラン・”レディフィンガー”・ヒルガード - ホテルと酒場のオーナー : ロバート・マッキム
- ヒルガード夫人 - レディフィンガーの母 : ガートルード・クレア
- エリック・ヒルガード - レディフィンガーの弟 : ロバート・ゴードン
- ジョー・ラ・バージ - 酒場で働く無頼漢 : ジャック・ホキシー
スタッフ
- 監督 : ウィリアム・S・ハート
- 原作 : J・G・ホークス
- 撮影 : ジョセフ・H・オーガスト
製作
1917年には、既に世界的なスターとして当時、メアリー・ピックフォード、チャールズ・チャップリンに次いで高給取りとなっていたウィリアム・S・ハートは、ウイリアム・ハート・カンパニーを設立し、その年の暮れには主演作品を完成させている。本作は四作目で、(中略)ハートの発見者であるトマス・H・インスが、”監督の監督”という形でバックアップしている。こうしてハートの代表作として後世にまで記憶されることになった。
評価
フォトプレイ(1918年)の評論家は「ハートは私が今まで見た中で、彼の演技力の最高の披露をしている」と述べた。また、物語には「実際の結末はない」が、「人生の一場面のようなもので、生来凶暴で残忍なローデンが、強い決意で穏やかになった心の葛藤に面白さがある」と評した。
バラエティ(1918年)の評論家はハートを称賛し、「彼は映画界に入ることを考えるずっと前から優れた俳優だった。彼は今、もう1つの芸術的業績、つまり知的で慎重で骨の折れる監督としての業績を明らかにしている。長編映画の準備の細部は、その価値を高めるのに大いに役立っている」と述べた。
モーション・ピクチャー・マガジン(1918年)は、「運命や税金と同じくらい避けられないことが1つある。ウィリアム・S・ハートは、新しい映画のキャリアを始めるたびに悪人としてスタートし、完全に改心して終わる。過剰な税金のように、過剰な改心だ」と述べた。
参考文献
外部リンク
- 鬼火ロウドン - KINENOTE
- 鬼火ロウドン 1918 - allcinema
- 'Blue Blazes' Rawden - IMDb(英語)




