シビル・ウェッタシンハ(Kala Keerthi Sybil Wettasinghe, 1928年 - 2020年7月1日)はスリランカの児童書作家・イラストレーター。 彼女の本はいくつかの言語に翻訳されている。
生涯
ウェッタシンハは1928年に生まれ、6歳までをスリランカ南部、ゴール近郊のギントタ村で過ごした。 ウェッタシンハの家族はコロンボに転居し、ジャフナの聖家族修道会の学校に入学した。 15歳で最初の作品を描いた。この作品は5年後に出版された。 17歳の時、ウェッタシンハはランカディーパ新聞社に就職した。1952年、ウェッタシンハはレイクハウス出版に移り、ジャナサ新聞の主なイラストレーターになった。レイクハウスへの入社はウェッタシンハに新聞のネットワークへのアクセスを与えた。ウェッタシンハはサンデー・オブザーバーやシルミナ、デイリー・ニュースそしてサラサヴィヤのためにイラストや文章を書いた。 1953年、ウェッタシンハはレイクハウス新聞社の主任編集者であるドン・ダルマパラ・ウェッタシンハと結婚した。2男2女の母。 1992年、第8回野間絵本原画コンクールの国際審査員を務めた。 IBBYのインドセクションの代表も務めた。ウェッタシンハは子ども向け新聞「Bindu」も創設した スリランカ在住。 2020年没。
著作
1952年、ジャナサ新聞で働きながら、ウェッタシンハは物語を書く初めての試みをした。ウェッタシンハは新聞の子ども向けページ用に「クダ・ホラ(Kuda Hora)」と呼ばれる物語を作った。「クダ・ホラ」は1956年にスリランカでオリジナル版が出版された。「クダ・ホラ」はスリランカで初めて子ども向けに出版された本となった。「クダ・ホラ」は1982年、日本で「かさどろぼう」のタイトルでフルカラー版が出版された。この物語は最終的に国内外の批評家に称賛される本へと発展した。「クダ・ホラ」の成功により、ウェッタシンハはそのキャリアの中で著述やイラストだけでなく200以上の子どもの本の制作に取り組んだ。 彼女の本は日本語、中国語、スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語、英語、朝鮮語、オランダ語、タミル語などの言語に翻訳されている。
受賞
ウェッタシンハはその経歴の中で国際的な評価を得、ウェッタシンハの児童文学はヨーロッパとアジアで賞を取った。1965年、彼女の『Vesak Lantern』はアジアの女性児童文学作家のためのイザベル・ハットン賞を受賞した。ウェッタシンハの最初の本『クダ・ホラ(Kuda Hora)』(日本語タイトル:かさどろぼう)は1982年、第3回野間児童絵本原画コンクールで佳作を受賞、さらに1986年に日本で日本の絵本賞(読売新聞社、全国学校図書館協議会主催)の絵本にっぽん賞特別賞に選ばれた。また、1987年には日本図書館協会の選定図書になっている。 『クダ・ホラ』は7つの言語(英語、ノルウェー語、デンマーク語、日本語、中国語、朝鮮語、スウェーデン語)に翻訳された。 1994年、国際アンデルセン賞に推薦された。 ウェッタシンハは2003年に日本とチェコスロバキアで展覧会を行っていて、ノルウェーで行われた著名な作家のブックフェスティバルにも招かれた。ウェッタシンハの作品はその独特なテーマとスタイルで国際的な注目を集めている。
- 1965年、ロンドンで女性評議会の国際児童文学賞を受賞した。
- 1971年、『Magul Gedara Bath Natho』で州文学賞を受賞。
- 1982年、『かさどろぼう』で第3回野間児童絵本原画コンクールで佳作を受賞。
- 1989年、『Deeptha Lama Maga(Children's Bible in Sinhara)』がブラティスラヴァ世界絵本原画展でイラストレーション賞を受賞した。
- 1992年、『Meti Gedara Limai(Crystal and Clay)』が児童書の州文学賞を受賞した。
- 1992年、『Meti Gedara Lamay』でスリランカ芸術評議会の最優秀児童書賞を受賞。
- 1994年、『Wooley Ball』がスリランカ芸術評議会の最優秀英語児童書賞を受賞した。
- 1995年、『きつねのホイティ』が日本図書館協会の選定図書に選ばれた。
- 1995年、『Hoity the Fox(きつねのホイティ)』は中央児童福祉審議会推薦文化財(出版物)に選ばれた。
- 1995年、『The Child in Me(わたしのなかの子ども)』が 最も創作的な英語の本としてグラツィアーン賞 を受賞。
- 1996年、『The Wesak Lantern』で 州文学賞 の最優秀英語児童文学賞を受賞。
- 1996年、スリランカ初の女性首相シリマヴォ・バンダラナイケから芸術と児童文学の「Vishwa Prasadini」賞が贈られた
- 2003年、ルフナ大学から「Rohana Pradeepa」賞受賞。
- 2004年、ゴールの青年仏教徒協会から「Galu Pahansilu」を贈られた。
- 2005年、スリランカ民主社会主義共和国からKala Keerthi (Kala Keerthi) 賞が贈られた。
- 2007年、ソリアス・メンディス賞を受賞した。
- 『Dura Gamanak』に州文学賞が贈られた。
- 2012年、第17回日経アジア賞文化部門受賞。
脚注
注釈
出典
参考文献
- Sybil Wettasinghe,1995, Child in Me, Colombo: Published by Author
シビル・ウェッタシンハ『わたしのなかの子ども』福音館書店、2011年2月。ISBN 978-4-8340-2281-0。https://id.ndl.go.jp/bib/000011119485。 - 「インタビュー「わたしのなかの子ども」に導かれて」『母の友』第714号。
- “National Honours”. Presidential Secretariat of Sri Lanka. 2019年12月18日閲覧。
- 日外アソシエーツ『現代外国人名録2016』日外アソシエーツ、2016.01.25、104頁。ISBN 978-4-8169-2583-2。
- “I'm still a child at heart”. PressReader.com. 2019年12月18日閲覧。
- 「アトリエ訪問42 スリランカの絵本作家シビル・ウェタシンヘさんにお会いして」『JBBY: Japanese Board on Books for Young People』第66号。
- 日外アソシエーツ『児童の賞事典』日外アソシエーツ、2009年7月27日、167-168頁。ISBN 978-4-8169-2197-1。
- “Sybil at 90”. Sunday Observer. (2017年10月22日). http://www.sundayobserver.lk/2017/10/22/creative-ink/sybil-90 2019年12月18日閲覧。
- “Sybil Wettasinghe (Author of The Umbrella Thief)”. Goodreads.com (2012年7月22日). 18 Desember 2019閲覧。
- ユネスコ・アジア文化センター編『アジア・アフリカ・ラテンアメリカ絵本イラストレーション '82』講談社、1983年5月25日、89頁。ISBN 4-06-200524-7。
- “National Honours”. Presidential Secretariat of Sri Lanka. 2019年12月18日閲覧。
- ByronPreiss (1996). The best children's books in the world : A treasury of illustrated stories. Harry N.Abrams. p. 265. ISBN 0-8109-1246-5




